WIZ&Partnersとは

WIZ&Partner


 ウィズ・アンド・パートナーズは、松村哲浩と北澤嘉浩がパートナーシップを組み、デザイン活動している組織です。

 現在は、建築・インテリアの設計・監理が主な仕事です。しかしながら、他の多くのデザイナーやアーティストの人たちとパートナーシップを結ぶことで、都市計画からプロダクトプロデュースまで、人間の「生きる」ことに関わるあらゆる創造活動をめざしていこうとしています。

私たちの考え

私たちが「建築」について考えていること


 個人が自分の家を建てることと、会社や公共団体が建築を行うこととのあいだには、どのような違いがあるのか、または、ないのか?そして、その建築するという行為の中で、設計をするということがどのような意味を持つのか?その設計行為の中で、個人の自由と社会の制約という問題はどのように解決されるべきなのか?

 現在は、この様な事柄が非常にわかりにくい時代になりつつあります。テクノのジーの進歩は、バラ色の未来と同時に灰色の未来も到来させるでしょう。そのような環境の変化の中で、私たち自身も少しずつ変化しています。テクノロジーの進歩は、とりもなおさず、私たちと周辺環境のあいだの、インターフェイスの変化のスピードを増大させているのです。

 このような混迷の時代の中では、私たちは、もう一度個々の人間に立ち帰り、他者との関係を見つめ直す必要があると思います。そして、その根底には「信」ということがなくてはならないでしょう。つまり、「信」が「デザイン」の基本になってこそ、意味ある創造ができるの。そのようにしてデザインされたものは、便利とか綺麗とかいう一般的な理由で意味あるのではなく、そこに関わった人々が意義ある体験ができるという点ですばらしいのです。

 私たちは、このような考えで活動をしています。そのためには、デザインすること・設計すること・創造することといった様々なことについて、基本的な内容を知っていただきたいと考えています。

建築すること

建築することとは


 建築主の皆様は、建物の新築・増築・改築・改装などを、私的な理由で行われると思います。個人の住宅だけでなく、企業の事業としての建築でも、法人として何らかの目的をもって建築物が計画されるでしょう。しかしながら建築は、[完成した建築物]と[建築事業]という二つの点で、非常に社会的な行為です。

 [完成した建築物]が、社会的な面を持つということは、比較的わかりやすいことと思います。完成した建物は、物理的に誰の目にも止まることとなり、その建物の周辺の雰囲気や町並を、以前のものから変えてしまいます。さらに、完成した後は、その場所を利用する人々の生活の一部を、以前とは違ったものにするでしょう。つまり、建築物は、ハード面(物理的な面)だけでなく、ソフト面(人間活動の面)でも社会的に存在するといえます。

 次に[建築事業]という点について考えてみます。[建築事業]とは建築工事の事だけではありません。建築主の方が、設計者に何らかの提案を依頼する時点で、事業は動き出します。建築主と設計者が、お互いに違った立場で物事を考え、より一層良いものを創ろうとすることが、建築にとっては、非常に重要なことです。こうして、専門家や他の事例などにあたりながら、設計図書が設計者によって描かれるのですが、この時点で法律(建築基準法・都市計画法・民法・消防法・その他関連法規)の規制や行政の指導を受けます。これらは、建築主の利益を一部制限することもありますが、完成した建物が、さきほど述べたように、社会的に存在するものなので、考慮されてしかるべきでしょう。

 このようにして工事が許可され、施工者が工事を開始します。どんなに小さな建物でも、完成するまでには数十人の人々が、様々な仕事を工事現場で行います。そこで働く人々は、それぞれの技術でもって、建築の完成に対して奉仕しており、その仕事によって生活を支えています。それゆえに、建築工事は、建築主・設計者・施工業者が、義務と責任を相互に負わなくてはいけない社会的な場であるといえます。

 以上のように、<建築すること>は私的でありかつ公的であるという点で、規模に関係なく、非常に重要な行為であるわけです。それゆえに、完成することに向けて、建築主・設計者・施工者が力を合わせれば、個人的にも社会的にも、十分満足でき、社会の評価に耐えるだけの良い建築ができると信じます。

建築設計業務について

建築設計業務の内容


 建築設計業務とは、確認申請書を役所に提出することや、施工を行うに当たっての図面を描くことだけではありません。まず、建築主の方から、建築についての相談や、事業やデザインについての提案の依頼を受けた時点で、設計という作業は始まります。そして、その後の設計業務は、以下のような順序でたいていは進行します。

  • 企画
    • 土地や建物に対しての利用の方法や、事業計画、意匠計画などについて様々な面から検討し、基本となる方針を提案する。
  • 基本設計
    • 基本計画としての設計図書の完成。建築申請、開発申請、その他建築にかかわる申請書提出に必要な図書の作成を行う。
  • 詳細設計
    • 詳細計画の設計図書の完成。これらを基にして、見積書を作成する。
  • 工事監理
    • 工事開始から、工事完了までの間、施工が設計図書通りに行われているかどうかを監理する。また、変更箇所が生じた場合の、設計の変更や追加、さらにその監理を行う。
  • 引き渡し
    • 竣工検査を行い、施工業者との瑕疵保証の問題についての取り決めを確認する。


 この様な内容が、設計業務の主なものですが、当然、計画する建築の種類や規模に応じて細部の内容は変わってきます。しかし、建築設計とは、最初の企画から、竣工引き渡しにいたるまで、意匠・設備・構造といった面で、常に建築がより良いものとなるように努力することであると考えます。その点では、建築の種類や規模は関係ありません。新築工事だけでなく、たとえ、小規模の改装工事であっても、常に、その努力は行われるべきです。建築主の皆様も、「設計とは建築が完成したときに終了する」という様に考えていただきたく思います。

業務報酬について

設計業務報酬について


 業務内容と整合する項目で、積み上げ計算をした金額を業務報酬として算定します。ただし、この金額が契約していただく業務報酬ではありません。しかしながら、建築主の方には、建築設計・監理業務の内容と業務報酬に対して、理解をしていただきたいと思います。ここでは、一般的な木造住宅を例にとって、設計・監理業務報酬について計算してみます。

建築設計業務 及び 建築監理業務

建設省告示1206号による業務報酬基準 人・日は、下記の式により算定されます。

 区分 第4類の2(一般的な木造戸建住宅)

  X:工事費(千円)
  Y:業務量(人・日)

  設  計(人・日) Y=0.01386・X0.75
  工事監理(人・日) Y=0.00693・X0.75

 ここで、総工事費を概略算定するに当たり、延べ床面積と坪単価を設定して計算することにします。仮に、延べ床面積を26.7坪、坪単価を60万円と仮定すると、建物金額は約1600万円となります。
外構工事費を100万円ほどとすると、建築工事費は、1700万円と考えられます。これらを上の式に代入して計算すると

  設  計(人・日) 20.63人・日
  工事監理(人・日) 10.31人・日

となります。

以上のことから、すべての業務の合計人・日は 38.19人・日となります。

また同じく建設省告示1206号より、設計関係業務報酬は下記の式で求めてよいこととされています。

S = P + P + α = 2.3 × P
S :設計関係業務報酬
P :直接人件費
P' :特別経費 + 直接経費 + 間接経費(1 × P)
α :技術料 (0.3 × P)

 平成5年度のEランク(1級建築士取得後3年未満 --これが基準になるランクです)の直接人件費額は¥30,900となつていますので、 
P=38人・日 × ¥30,900 = ¥1,174,200より、 
S=¥2,700,660 となり、設計関係業務報酬は、270万円と算定されます。

業務内容

設計・工事監理業務の詳細


 建築の設計図書には、下記のように様々な種類のものがあります。 これらを元にして、契約・見積・工事がなされていきますので、設計者の説明を十分に受ける必要があります。

建築設計の成果図書

  • 建築(総合)
    • 仕様概要書
    • 仕上表
    • 面積表・求積図
    • 敷地案内図
    • 配置図
    • 各階平面図
    • 断面図
    • 立面図
    • 矩計図
    • 展開図
    • 天井伏図
    • 平面詳細図
    • 部分詳細図
    • 建具表
    • 申請図書
  • 建築(構造)
    • 基礎伏図
    • 各階床伏図
    • 屋根伏図
    • 軸組図
    • 壁量計算図(木造構造計算)
    • 構造計算書(鉄骨・コンクリート造構造計算) 
  • 電気設備
    • 仕様書
    • 弱電設備平面図
    • 電灯コンセント設備平面図
    • 照明器具リスト 
  • 給排水衛生ガス設備
    • 仕様書
    • 給排水衛生ガス設備平面図
    • 屋外設備図
  • 空調換気設備
    • 仕様書
    • 空調設備平面図
    • 換気設備平面図
    • 工事監理の内容
    • 工事監理業務
    • 工事の契約及び指導監督